国内旅行に添乗すると、お客様から旅行中にさまざまな質問を受けます。
ある程度「よくある質問」を頭に入れておくことで、スムーズに答えられてトラブルやクレームを回避できます。
今回は国内旅行におけるお客様からの「よくある質問」をまとめました。
国内旅行で質問を受けるタイミングは、主に【旅行中】が多いです。
海外旅行の場合は、ツアー出発前に添乗員から挨拶の電話をかける「対客電話(事前コール・安心コール)」というものが行われることが多く、ここで質問を受けます。一方の国内旅行ではツアー出発前に対客電話を行わないことが多いため、事前に質問を受けるよりも旅行中に直接質問を受けることが多いです。
国内旅行の出発前の質問は、旅行会社に直接問い合わせが入ることが一般的ですので、添乗員ではなく旅行会社の担当者が対応します。
ただ、国内旅行であっても、社員旅行などの受注型企画旅行の場合は幹事や代表者に事前に電話をかけて、挨拶と最終確認を行います。その際に、色々な質問を受けることが多いので、事前にある程度予想して対応できるように準備しておきましょう。
対客電話でよくある質問の例をご紹介します。
・バス、新幹線、飛行機などの座席指定はできるか
・奇数人数での参加の場合、バスの座席が別グループの人と相席になるか
・宿泊施設の部屋指定はできるか
・宿泊施設の部屋の禁煙・喫煙(選べるか否か)
・宿泊施設の周辺施設について、近くにコンビニや飲食店などはあるか
・当日はどのような服装がおすすめか
・食べもののアレルギーがあり、メニュー変更ができるかどうか
・妊娠中で食べものに制限があり、対応してくれるか
・持病があり、食事制限があるが対応してくれるか
・天候によりツアー内容が変更となったり中止となったりするか
・現地の服装や持ち物に関する留意点はあるか
・バスのトイレ休憩はどのくらいの頻度で取るか
・マイレージ加算ができるかどうか
事前に確認しておきたいこととして多いのが「移動中の座席や部屋に関して」や「アレルギーなどの食事の対応に関して」です。
国内旅行は、海外旅行と比べて、何らかの配慮が必要となる方の参加が多い傾向にあります。
最近はバリアフリーが進み、アレルギーや特別食に対応した食事提供をしている宿泊施設やレストランが増えていますが、伝達がしっかりできていないと対応食を提供してもらえないこともあります。添乗員はお客様の要望を受けたら必ず関連施設に連絡を入れて再度確認をする必要があります。
介助が必要なお客様がいらっしゃる場合は、申込時など、事前に旅行会社担当者へのお申し出があり、確認していることがほとんどですが、万一、対客電話でお申し出があった場合は、まず旅行会社担当者へ対応について確認すると良いでしょう。
旅行中のよくある質問で多いのは、「次のトイレ(休憩)までどのくらいですか?」というものです。
観光施設からバスに乗り移動する際に、次の観光場所や宿泊場所、あるいはレストランなどの食事処までどのくらい時間がかかるのか、あるいはサービスエリアでのトイレ休憩までどのくらい時間がかかるのか、予め把握していなければなりません。
他にもいくつか「よくある質問」がありますので、また種類別にまとめていきます。
・次のトイレ休憩はいつか(次に行く場所にトイレはあるのか)
・ここから先、土産物店に立ち寄ることはあるか
・〇〇を買いたいが、どこで買えるか、買う時間はあるか。
・集合時間は何時か
・集合場所はどこか
・宿泊施設に着いてからは自由に出歩いていいか
・食事の時間はいつか
・入浴の時間はいつか
・帰着は何時頃になるか
・この店(あるいは次に行く店)でカードは使えるか
・次に行く観光施設(宿泊施設)に売店や自動販売機はあるか
・地酒や地ビールが買える店に立ち寄るか/近くにあるか
・生ものを買いたいが最終日に同じものが買える店に立ち寄るか
・〇〇を買いたいがどこで買えるか、買う時間はあるか。
・お金を下ろしたいがどこかATMがあるところに立ち寄るか
・この食事に○○(アレルゲン)は入っているか
・この料理を細かくカットしてほしいと店員に伝えてほしい
(特別食で、嚙む力が弱い方など)
旅行中は、トイレに関する質問の次に多いのが「買い物」に関する質問です。
カードは使えるか、現金しか使えない場合は下ろさないとお金が足りないけれどATMはあるか、など、支払いに関する質問が多いため、できれば立ち寄る土産店の決済方法は把握しておきましょう。
また、生ものや食品系をお土産として買いたい方からは「最終日に同じものが買えるお店に行きますか?」と聞かれることも多いです。
これについても、どの土産店でどんな商品を扱っているかある程度頭に入れておくと、スムーズに答えられます。
ホテルの近くにコンビニはあるか、飲食店はあるかなどの周辺施設についての質問も多く、現地情報を頭に入れておくのも大切です。
ある程度「よくある質問」を想定して、すぐに答えられるよう準備しておくのは添乗員の大切な仕事です。
ただ、中にはすぐに答えられないもの、分からないこともあります。分からないことに関しては、適当に答えたり、憶測で答えたりせずに、しっかりと確認をしてから対応しましょう。
分からないときには、まずお客様に「今確認しますので、少々お待ちください」とお伝えします。
お待ちいただいて、しっかりと確証が得られた答えをお伝えしてください。