バスなどで旅行に出かける時、「添乗員(ツアーコンダクター)」が同乗することがあります。
その時の添乗員(ツアーコンダクター)の仕事ぶりを見て、「自分も添乗員になりたい!」と考える方もいることでしょう。
しかし、同じような仕事に「バスガイド」があり、この2つは同じなのか、それとも違いがあるのか分からないと考えている方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、添乗員(ツアーコンダクター)とバスガイドの違いについて、それぞれの役割を詳しく見ていきましょう。
添乗員(ツアーコンダクター)とバスガイドはどちらも旅行に同行するので、同じ役割と考えている方が多いかもしれません。
しかし、実際にはその業務内容等は大きく異なります。
そのため、添乗員(ツアーコンダクター)になりたいと考えている方は事前にその違いを理解して、自分がなりたいのは「添乗員(ツアーコンダクター)」なのか、「バスガイド」なのかを明確にしておくことが重要と言えます。
添乗員(ツアーコンダクター)とバスガイドは仕事内容以外にも異なる点がたくさんあります。
そこでここからは、添乗員(ツアーコンダクター)とバスガイドの違いについて、項目別に見ていきましょう。
添乗員(ツアーコンダクター)とバスガイドの1番の違いは、仕事内容です。
どちらも旅行に同行しているという点は同じですが、実際に行っている内容は大きく異なります。
まず添乗員(ツアーコンダクター)の業務内容について見ていきましょう。
添乗員(ツアーコンダクター)が行うのは、基本的に「旅程管理」です。
例えば、安全管理や人数確認、チケットの受け渡しや時間管理、精算業務など、旅行が決められた行程通りにスムーズに進むために必要なことを行います。
旅行に行くとその場の感情で楽しくなってしまい、決められた行程を全てこなすことができなかったという方は多いでしょう。
そのようなことが起こらないように、添乗員(ツアーコンダクター)がしっかりと時間管理や行程の管理を行います。
業務の一つとして、添乗員(ツアーコンダクター)が観光案内を行うと思っている方もいるかもしれませんが、実際には業務内容外です。しかし、お客様により喜んでもらおうと添乗員(ツアーコンダクター)の好意で実施することもあるようです。
それに対して、バスガイドは「観光案内」が業務となります。
その地域の特色や人気の観光地、車窓から見える景色の説明などを行うためにバスの中でマイクを持っています。
実際に観光地に一緒に行って現地での観光案内を行うというケースもあります。しかし、バスガイドの業務の中には行程管理は入っていないため、バスガイドが集合時間等を指定することはありません。
そのため、バスガイドが同乗しているツアーの場合は幹事の方が行程管理を行う必要があります。もちろんバスガイドが観光に必要な時間や集合場所のアドバイスをすることは可能です。
添乗員(ツアーコンダクター)とバスガイドは所属する企業が異なります。
そのため、添乗員(ツアーコンダクター)やバスガイドになりたいと思っている方は、この点をチェックしておかなければ思っていた仕事ができないというケースもあるでしょう。
添乗員の大半は「添乗員派遣会社」に登録しています。
添乗員(ツアーコンダクター)が同乗するツアーはたくさんありますが、そのようなツアーを提供している旅行会社は添乗員派遣会社と業務提携しており、ツアーに合わせて添乗員(ツアーコンダクター)の派遣依頼を行っているのです。
時には旅行会社で企画・手配を行う営業マンが添乗員(ツアーコンダクター)として同乗することもありますが、基本的には派遣会社所属の添乗員(ツアーコンダクター)が派遣されると思っていた方がよいでしょう。
その理由として、旅行会社としては営業マンが同乗してしまうと、その分売上が下がってしまうことを懸念しているからだと言えます。
その上、プロの添乗員(ツアーコンダクター)の方がよりスムーズに旅程管理を行うことができると判断しているケースもあるようです。
バスガイドは、バス会社が雇っている社員であるケースが大半です。中には派遣社員としてバスガイドを行っている方もいます。
ただその場合もバス会社が派遣会社と提携をし、バスガイドとして働いてくれる人を派遣してもらっています。
また、中にはバス会社から直接仕事をもらって働くフリーランスの方もいるようです。
添乗員(ツアーコンダクター)とバスガイドでは資格面でも違いがあります。
やりたいと思っても資格がなければ同乗できないこともありますので、添乗員(ツアーコンダクター)やバスガイドになりたい方は必ず確認しておきましょう。
添乗員(ツアーコンダクター)として働くためには、「旅程管理主任者」という資格を保有している必要があります。
複数のバスで行くツアーの場合には、添乗員(ツアーコンダクター)の1人がこの資格を持っていれば同乗することが可能です。
添乗員(ツアーコンダクター)の資格取得自体はそこまで難しいものではなく、90%が合格しています。
旅程管理主任者の資格試験は講座の受講と添乗業務の2つに分けられており、この2つをクリアすることによって資格を取得することができます。
しかし、受験するためには条件が設定されており、旅行会社や添乗員派遣会社等に所属し、添乗員業務研修を受ける必要があります。
その上、旅程管理研修終了日の前後1年以内に1回以上、または研修終了後3年以内に2回以上の添乗経験が必要となりますので、添乗員(ツアーコンダクター)になりたい場合はまず旅行会社や添乗員派遣会社に所属する必要があるでしょう。
添乗員(ツアーコンダクター)は資格を持っていなければなることができませんが、バスガイドは資格がなくても行うことができます。
そのため、派遣社員としてバスガイドを行いたいと思い、応募したら採用されてバスガイドになれたという方も多くいます。
また、添乗員(ツアーコンダクター)が観光案内を行うことも可能ですが、バスガイドが旅程管理を行うことはできません。
現在バスガイドを行っている方が旅程管理も行いたいと思った場合、添乗員(ツアーコンダクター)に義務付けられている「旅程管理主任者」の資格を取得する必要があるでしょう。
いかがでしたか?添乗員(ツアーコンダクター)とバスガイドは同じ職業と思っている方も多いと思いますが、実際、業務内容や実態は大きく異なります。
そのため、自分がどのような業務を行いたいかを確認して、その仕事につくために必要な手順を踏む必要があるでしょう。
特に添乗員(ツアーコンダクター)は資格が必要となるので、添乗員(ツアーコンダクター)になりたいと思っている方はしっかりと準備をしておかなければいけません。添乗員(ツアーコンダクター)になるために、まずは旅行会社や添乗員派遣会社に入社してみることをおすすめします。