旅行の添乗員の服装は自由な私服なのか、それとも制服のように決まっているのか、どちらだと思いますか?バスツアーのバスガイドなどは会社が定める制服を着ているイメージがありますが、海外旅行の添乗員は比較的ラフ(カジュアル)な格好をしているイメージがあるかもしれません。 今回は、添乗員の服装について、そのルールとマナー、そして気を付けたい点について解説していきます。
旅行添乗員の服装に関しては、どこの旅行会社のツアーであっても、会社指定の制服が支給される事はありませんので、基本的には自前で用意します。 だからといってどんな服装でも良いというわけではなく、添乗員として相応しい服装を心がける事が大切です。添乗員として相応しい服装とは、好感度を意識した服装です。 清潔感や誠実さ、そしてTPOを考えて、お客様に好印象を与えられるような服装を心がけましょう。
添乗員のベーシックな服装はスーツスタイルとなります。 女性であれば、パンツに、襟のあるシャツやブラウス、そしてジャケットを着用し、靴はローヒールかパンプス、ストッキングはベージュが好ましいです。 男性であれば、一般的なスーツにネクタイを締め、靴は革靴が好ましいです。
色や柄に関しては、派手になりすぎないように、黒や紺やグレー、あるいはベージュなどの無地か、遠目で見れば無地に見える程度の目立たない控えめなストライプ柄など、華美でないものが望ましいです。
アクセサリーなどに関しては、派手過ぎず好感度を損なわないものであれば身に着けても良いでしょう。大ぶりでなく、揺れないような、小さなピアスであったり、控えめなペンダントであったり、その程度であれば問題ありません。 メイクやネイル、髪の色に関しても、派手になりすぎないよう好感度の高い清潔感ある装いを心がけましょう。
男性のネクタイに関しては多少遊び心があっても、お客様とのコミュニケーションツールのひとつになる可能性もあるので、少し変わった柄のものやワンポイントが入っているものを身に着けるというのも良いかもしれません。
添乗員の服装の基本はスーツスタイルですが、ツアーの内容によっては服装を変える必要があります。 代表的なものは、トレッキングやハイキングなど、自然の中を案内するようなツアーです。スーツスタイルでトレッキングをするのには無理がありますし、お客さまにも「このような服装で」と案内している手前、添乗員も案内した服装でツアーに臨むべきです。 運動靴に、帽子など、そのツアーに最適な服装を選択しましょう。
他にも巡礼ツアー、修学旅行、研修旅行など、ツアーの内容によって求められる服装が変わってくるため、不安がある場合には旅行会社に確認しながら服を選ぶ必要があります。
真冬のツアーでは、ヒートテックなどを着用して防寒に努め、真夏のツアーではジャケットは最初と最後の挨拶の時以外は脱いで半そでのシャツを着用しクールビズに努めるなど、季節に合わせて体調管理を意識した服装を心がけるのも添乗員の大切な仕事のひとつです。
海外ツアーに添乗する場合は、日本よりも寒い国、暑い国、1日の中で寒暖差が激しい国など、様々な気候の地域がありますので、事前に気候の特徴をリサーチして服装の準備をします。
ベテラン添乗員になると、お客様の中で十分な準備をしてこなかったという方のためにホッカイロを余分に持って行ったり、クールダウンさせるためのグッズを持って行ったり、寒さ対策や暑さ対策の秘策グッズを多めに携行する事もあります。
添乗員の仕事の中で最も大切なことは体調管理です。体調を崩さないように季節や気候に臨機応変に対応できるよう、服装にも工夫しましょう。お客様の手本となるような服装を心がけることも大切です。
所属する旅行会社、派遣元の旅行会社によっても服装の基準が変わってきます。 傾向としては、格安ツアーやカジュアルツアーを中心に企画している旅行会社は、添乗員の服装も比較的カジュアルなものがOKな場合もありますが、逆に富裕層のお客様をターゲットにした高額のツアーを中心に企画している旅行会社の添乗員の服装はカチッとしたスーツスタイルを基本としているところが多いようです。
ただし、先ほども述べた通り、どちらかというとツアーの内容や行先によって服装を検討するのが良いですので、富裕層向けのツアーであってもトレッキングなどが組み込まれていればトレッキングに相応しい服を持っていく必要がありますし、格安ツアーであっても本格的なコンサートを聴きにいくような内容が盛り込まれていればフォーマルな服を持っていく必要があります。
また、どんなツアーであっても、どんな旅行会社であっても、最初にお客様とお会いするシーンではスーツを着用する事をおすすめします。 アロハシャツで馴れ馴れしく挨拶を交わすよりも、スーツでにこやかにきちんと挨拶を交わした方が、信頼できる印象を与える事ができます。さっぱりした清潔感のあるスーツで第一印象を良いものにしましょう。